二度とない大事な一日
パターソン
-あらすじ-
ニュージャージ州パターソンに住むバスの運転手パターソン。
彼の一日は朝、隣に眠る妻ローラにキスをして始まる。
乗務をこなす中で、心に浮かぶ詩を秘密のノートに書き留める。
帰宅して妻と夕食を取り、愛犬マーヴィンと夜の散歩。行きつけのバーへ立ち寄り、
1杯だけ飲んで帰宅し、ローラの隣で眠りにつく。
一見代わり映えしない平凡な毎日。そんなパターソンの7日間の物語。
-感想-
パターソンの"詩"を軸に、物語も詩的に進んでいく。
いかにも映画のような世界ではなく、
僕たちのような普通の日常を美しく丁寧に切り取ってくれている。
毎日同じルーティンだとしても、その日々の中で
かける言葉やかけられる言葉、乗客から聞こえてくる会話や目に入る文言、
ノートに書き残す言葉は全て違う。だからこそ、
その日は2度とない大事な1日。
そして、いつも何気なく過ごしている毎日は美しいこと。
言葉は美しいこと。
のびのびと生きること。
退屈と思っていた日常の楽しみ方、ありがたみを感じることができる
「良い詩」を読んでいるような作品。