何気なくテレビを見ていた。
面白い番組がないかと、チャンネルをいくつか回していた。
すると、何気なく選んだBSの番組で、黄色いユニフォームを着た選手がボールを高らかに掲げる瞬間だった。
何気なくつけたテレビに心が動かされるとは思っていなかった。
そのテレビの瞬間は、レイカーズvsセルティックス 2010年のNBAファイナル第7戦だった。
今でもその瞬間を覚えている。
高らかに上がったボールを走って追いかける選手。
そのボールを掴み、喜びを噛み締めていた。
優勝の瞬間だけしか見ていないのに、テレビの前で立ち尽くしていた。
それほどまでに、黄色いユニフォームを着てボールを抱えて涙する選手は輝いて見えた。
その時からバスケは始めていたが、NBAには特に興味はなかった。
しかし、ちょうど優勝の瞬間を見たことに、僕は運命を感じた。
後に、その選手が“コービー・ブライアント”というNBAのレジェンドだったと知る。
僕はそのままコービーに憧れた。
彼のバスケに対する熱量や、レイカーズ一筋という思いは、
熱しやすく冷めやすいタイプの僕の心に、凄まじい衝撃を与えた。
彼のハイライトや試合動画を何度も見返し、プレーを真似した。
彼は僕にとって、先生だった。
引退後も偉大なプレイヤーであり続け、試合に足を運び、現役選手にアドバイスをしていた。
そんな中、バスケ界に、いや世界中に衝撃と悲しみが走った。
コービーのヘリコプター事故による死亡だった。
彼のニュースは瞬く間に世界を駆け巡り、
遠い島国・日本にいる僕の耳にも届いた。
自分に関係する人以外の死ではどこか他人事だった僕が、
実際に会ったことのない人の死で、ここまで心が凹むとは思わなかった。
彼のニュースを見てから、何をしていても彼のことを考えていた。
これほどまでに、僕の人生に彼が大きな影響を与えていたとは、自分でも気づかなかった。
彼は今でも僕のヒーローであり、先生であり、影響を受けた選手の一人である。
R.I.P Kobe Bryant