人生の指針

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占い事情

友達と2人で居酒屋で飲んでいた。

カウンターに座りお酒を交わしていた。

すると横にいた、女性2人組に話しかけられた。

「私、占い師 やってたのよ。暇だから、君たちを占ってあげる。

大丈夫、お金は取らないから。」

 

僕たちは、急に話しかけられてびっくりしたが、お酒も入っていたので、

占いをお願いした。手相や店の割り箸で占いを始めた。

手相で僕は「こんなにきれいなマスカケ線を見たことがない。」と言われた。

誇らしかった。「大器晩成型だから、地に足つけて生きなさい。けれど心はノミのように小さい小心者だね。」と言われた。

ノミのように小さい。器がノミのように小さいのではなく、小心者という意味で良かった。大器晩成型のことはすっかり忘れ、ノミかぁとしか思わなかった。

 

友達は手相は至って普通だった。そして次にお店の割り箸をいきなり投げ始めて、それを見て

「君は、近いうちに結婚を決めることになる、けれどそれはなにか強制的なものだ。」と言われていた。

 

僕は占いはあまり信じていない。娯楽程度に楽しんでいるが、鵜呑みにはしていない。

理由は結果が良かろうが悪かろうが、やるべきことに変わりはないからだ。

一生懸命生きる。これは占いの結果に左右されるものではないからだ。

 

僕は、占い師の人に色々質問をした。

「どうして占い好きな人は、所詮占いでしょ?って言ったら怒るんですか?」

「それは怒られるよ。だって、占いを信じる人も心のなかではそう思っていて、

どこか頑張って生きている人に劣等感を抱いているけど、それを認めたくなくて占いを信じているのだから。」

なるほどと思った。みんな気づいているのか。そうだよな。

立て続けに聞いた。

「ラッキーアイテムとかはどう決めるんですか?」

「最初の頃は、タロットとかで決めるんだけど、何回もやってくると、なくなってくるから、

目についたものを書いてるよ。」

書いてる?この女性の占い師は元々雑誌とかに月間、今週の星座占いなど掲載していたらしい。毎回おとめ座らへんでものが尽きるらしい。

ラッキーアイテムは目についたものか。占いの世界にも色々あるものだ。

僕は何度も質問を続け、占いの裏事情を聞き出そうとしていた。

「街中にポツリといる占い師は、どうやって生計を立てているの?」

「あー、あの人達は多分。弟子を雇ってる。大体は占いオタクから始まって、

興味の有りそうな人に、君才能あるよ。と言って、弟子を取り、そのレッスン代で生計を立てていると思うよ。」

なるほど。そこらの道場とかと同じなわけだ。弟子を取り師範となる。ならば占いの世界にも師範代理とかランク付けがあるのか?

 

「実際のところ占いって本当のところは見えてるの?」

「ついにこの質問が来たか。実際は、半々だね。人の悩みなんてのは、仕事、家族、恋愛、のどれかに分類されるから。仕事のついては各職種について調べておけば大体わかるのよ。その人の職業聞いて、その分野の景気を想像して、いま大変な時期ですよね、そのとおりです。ってなるのよ。」

 

やはり、占いにも事前準備は必要なのか。それに半々も見えていたらすごいのでは?

ていうか半々ってなんだよ。占いは娯楽で楽しむのが一番だな。と感じた。

 

「どうして、占い師を辞めたの?」

「なんかね、最後の方どうでも良くなって、恋愛の占いに男の子が来た時に、

タロットを切りながら、"知らないよ、告ればいいじゃん"と思ってしまったんだよね。

それに最後は"男なんだからしゃきっと生きろ""占いなんかに頼んじゃない。"って言ってしまったんだよね。

それでお金をもらうのも悪くなって辞めた。」

やっぱり占い師といえど人間なのだな。

もちろん全ての占い師がこの女性のようなわけではないと思う。

しかし、信じすぎるのも毒な気がする。

 

そして占い師の女性たちが席を立つタイミングに

「この世界は占いや、何かに頼って成功しようとするやつが多すぎる。

才能や占いの結果なんか当てにせず、努力することがいちばん大切なんだよ。頑張りな、若きゲバラよ。」といって去っていき、僕たちの会計も済ませてくれていた。

ロックな人だ。

僕たちがゲバラならば、あの女性はカストロだ。

 

最近、一緒に占われた友達から「子供ができた。結婚する。

あの時占われたのと同じ結果だよ。すごくない??」と連絡が来た。

 

僕はあまり占いを信じていないが「おめでとう。やっぱり占いって当たるんや~。」

と無表情で親指を動かした。